みせかけチムドンドン

いろんなものに夢中になったり飽きたり。

ZINEに寄稿した話

2023年春に1通のDMが届いた。開封してみると文学フリマなるものにZINEを出したいから寄稿してほしいとのこと。なるほどわからん。なんでも、文学作品のフリーマーケットで、イメージとしてはコミケの文学版。ZINEとは有志で作る小冊子。なるほどわからん。意味のわからないものは大好きなので軽い気持ちで参加してみることにしました。

 

さっそく概要を確認。忘れられない1冊というテーマで1000文字程度のエッセイを書いてほしい。提出期限は2ヶ月後。自分以外に複数名の執筆者がいて、その方々同士は面識があると。なるほどアウェイだ。そしてこれが見本ですと送られてきた文章の上手さに震えて、さらに他の方がどういう文章を書くのかや、これ読んで面白いのかなとかと書いては消してを繰り返しているうちに普通に提出期限を突破。寛容な心で許していただけたが、限界を打ち破ることはいいことなので今後も笑って許してほしいと思う。

 

さてそんな魂を込めて書いた渾身のエッセイだが、これでよかったのかは今でも分からない。他の執筆者の作風が分からず、ZINE全体のバランスを崩すのではないか。お金を払って購入していただいた方がこれを読んで面白いと思ってくれるのか。エッセイを書きながらこの2つが気がかりだった。あぁ全体のバランスや読み手を意識して書くことの難しさよ。何度も書いては消してを繰り返し、最終的には選んだ本の雰囲気を大切にして文章を書くことにした。その結果、普段ブログなどに書いている雰囲気と全く異なるものになった。もし次も何かしらで寄稿することがあればまた違う作風になりそうだし、ミュージシャンがアルバムごとに雰囲気が違うのもなんだか分かる気がした。

 

このエッセイは他の執筆者さんたちの素敵なエッセイとエッセイの間に挟まれ、自身も素敵ですよという雰囲気を出しながら掲載さてている。発起人さんの頑張りにより、綺麗な小冊子となり文学フリマで販売され、全く面識のない、生涯会うことのない人々のもとへ旅立って行った。忘れられない1冊に選んだ本の魅力が少しでも伝わってればいいな。

 

最後にZINEへ誘ってくれた発起人さんと、ZINEの執筆者さん、そして読んでいただけた全ての方に感謝してこの記事は終わろうと思います。本当にありがとうございました。